Return to the TOP

2017.03.20

経済外交の難しさを感じさせたG20財務相・中央銀行総裁会議、米国が保護貿易主義の色彩を強めるのではとの警戒感は続いています

3月17日(金)・18日(土)に20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がドイツで開催されました。米国でのトランプ大統領就任による政権交代後、国際会議での主張にどのような変化がみられるか注目する報道が多かったように感じています。実際、トランプ政権の「米国第一」主義を受けつつ、多国間の自由貿易体制をめぐっての議論が行なわれたようです。しかし、米政権も方向性が定まっておらず、米国が保護貿易主義の度合を強めるか否かについては今後もさまざまな場面で確認していくことになるでしょう。

・ムニューシン米財務長官、G20で現行通商ルールに縛られない姿勢示唆(ブルームバーグ)
“今回の声明は前回盛り込んだ「あらゆる形態の保護主義に対抗する」と文言を削除。代わりに「貿易の貢献の強化」に取り組んでいるという当たり障りのない表現にとどめた。

ムニューシン長官は声明発表後の記者会見で、「私にとって初めてのG20だ。過去の声明の内容は、私の観点からは必ずしも関係があるわけではない」と述べ、国際社会の従来のコミットメントに自身やトランプ政権が縛られない姿勢を示唆した。

一方、他国の財務相らは今回の結果に不満をもらした。ロシアのシルアノフ財務相は「さらなる議論が必要だ」と述べ、サパン仏財政相も協議が「満足できる形で終わらず」残念だと語った。”
_

「米国がドル安政策をとる」との連想につながるかが鍵です

以前に「減税、インフラ投資、保護主義…トランプ政権のもとで金融政策は難しい局面を迎える可能性が高そうです」(2017.2.27)でトランプ政権の経済・財政政策と、そのもとでの金融政策を考えましたが、いまだに当時と比べて状況にほとんど変化がないのではないかと感じます。3月16日(木)に公表された予算教書については、国防費の大幅な増額と省庁の予算削減が報じられています。しかし、法人減税などの税制改革については未だ詳細が明らかでない点が気がかりです。

・米予算教書、歴史的な大規模削減を提案−国防・安全保障費増額で(ブルームバーグ)


今回のG20財務相・中央銀行総裁会議が米国の経済外交においてはスタート地点であったとするならば、結論を急ぐのは早いと私は思います。どんなかたちであれ、米国が保護貿易主義の色彩を強め、結果としてドル安誘導に傾くかどうかという点に着目していかなければなりませんね。

・G20の保護主義反対見送り、ドイツに痛手=エコノミスト(ロイター)
“G20は共同声明とは別に、将来のショックに対する経済の耐性を高めるための諸原則を採択し、自由貿易と開かれた市場への支持など、これまでのG20声明の文言を一部盛り込んだ。

あるG20関係者は、共同声明よりも経済の耐性に関する文書のほうがおそらく重要と指摘し、共同声明は「現時点のスナップ写真」にすぎないが、別文書は7月にハンブルクで開催されるG20首脳会議でも採択されるだろうと説明した。

独商工会議所のトレイアー氏も「ドイツのG20議長の期間はまだ終わっていない。明確なシグナルを送るかどうかはハンブルクサミットに参加する首脳次第だ」と述べた。”
_

為替市場の反応は限定的だったようですが…

今回のG20財務相・中央銀行総裁会議の為替市場への影響は限定的だったようですが、声明文の修正などが保護貿易主義の強まりを意識させる内容であったため米ドルの上値を重くするのではないかと私は感じました。

また、3月15日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)後のイエレンFRB(米連邦準備理事会)議長の記者会見で、今後の利上げも緩やかなものとなる方向性が示されたことなどもあり、1ドル=112円台半ばと、FOMC直前の水準からみるとドル安に傾いています

金融緩和継続と利上げ、日米金融政策の方向性の違い・金利差拡大の環境下でも、トランプ政権の経済・財政政策をめぐってドル/円の相場は当面、神経質な展開が続くのでしょうか。

---

!)ニュースなどを参考にしながら、中長期の国際分散投資に取組む筆者の主観に基いて編集しています。詳しくは「当ブログで取り扱う情報について(ご注意)」をご確認ください。
posted by みらい at 23:27 | Comment(0) | 投資の視点/ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。